年代によって、キャリアプランは異なってくる
税理士業界は、新卒の人や他業界からの転職組もいて、年齢に開きがあります。
年齢が違えば、取るべき戦略やキャリアプランも違うので、年代別に考察してみました。
学生・試験勉強に専念できる人の場合
時間がある学生や試験に専念できる人は、会計士を経由して税理士になるのがオススメです。一般的に税理士試験より会計士試験が難しいと言われますが、必ずしもそうとは言えません。
税理士試験は期間が長いので、どうしても働きながら勉強せざるを得ない状況になりますが、仕事をしながらの勉強は非常に大変で、合格するには強い忍耐力が必要だからです。なので、もしあなたが学生などで、まとまった時間が取れるなら、会計士試験が税理士への近道になるかもしれません。
税理士試験は5年程度はかかりますが、真剣にやれば会計士は2年程度で合格できる試験です。
会計士試験と聞くと、税理士に必要のない勉強をしないといけないと思うかもしれませんが、会社法や経営学など、試験科目は、中小企業を相手に仕事するために必要なものばかりです。 監査論という科目だけがあまり関係がありませんが、ボリュームはそんなに多くありません。
ただし、会計士登録をするために、監査法人などに所属し2年間の実務要件を満たした上で、修了考査(合格率7〜8割くらい)に合格する必要があります。
税理士事務所での経験では上記の実務要件を満たさないので注意が必要です。
しかし、監査法人に勤務している間の給与は5〜600万円程度で、税理士事務所に勤務するより非常に優遇されます。
20代の場合
20代の場合、少しでも早く税理士になるため、大学院免除の積極的な活用がオススメです。
20代で税理士資格を持っている人はそんなに多くないので、20代のうちに税理士になれば、自分のブランディングの一つになります。
100万円超の授業料はかかりますが、将来のための投資と思えば高くはないと思います。
むしろ、税理士になるまで安い給料で働かなければならない機会損失の方が高くつきます。
業界で5科目合格の方が評価が高いこと傾向を理由に、大学院免除制度の利用を躊躇する人もいますが、お客さんには5科目合格か大学院免除は関係なく、また興味もないのが実情です。5科目合格を崇めている人は、たいてい自分の苦労を正当化したいだけなので無視しましょう。
大学院免除でも何でもいいので、早く税理士資格をとって、実務経験を積む方が重要であり、あなたのためにもお客さまのためにもなります。
また試験勉強中の事務所も、合格後にすぐ独立するぐらいのつもりで選択した方がいいです。 独立後に提供するサービスを検討して、直結した実務経験が積める事務所を選択しましょう。
ただ、なかなか方向性が定まらない場合、とりあえずBig4に就職するのもアリだと思います。 Big4はサービス提供範囲が広く、部署間の移動も比較的に容易なので、業務を経験しながら、自分の進む税務領域を模索できると思います。
30代の場合
30代の場合、3科目をすでに取得しているならば、まよわず大学院免除制度を使いましょう。
2科目以下ならば、3科目合格するまでの期限を決めるか、方向転換も真剣に検討すべきです。
30代になると、一般企業の経理職も含め、キャリアチェンジするにはギリギリな年齢なので、税理士試験の合格可能性を真剣に吟味しないと危険です。
もし試験に合格できないままズルズルといってしまうと、他の業界に転職することができず、税理士業界で低賃金のまま飼い殺されてしまうことになってしまいます。
一方、すでに税理士資格を取得しているならば、なるべく早く独立するべきだと思います。
必要な実務経験が足りないと思う場合も、必要な経験をいつまで積むか期限を切るべきです。 完璧な状態で独立するのはムリなので、ある程度の思い切りも必要だと思います。
まとめ
- 学生・試験勉強に専念できる人の場合・・・会計士試験を利用して税理士資格を取る
- 20代の場合・・・大学院免除を活用して最短で合格
- 30代の場合・・・試験合格が難しい場合は、キャリアチェンジも真剣に検討