国際税務をやりたい税理士の転職先は?

【国際税務に興味があり転職先を迷っている人向け】

結論として、迷っている人は「Big4」を選択した方がいいです。
なぜなら、経験が積める環境で、キャリアプランのリスクヘッジも同時にできるからです。

Big4監査法人→Big4コンサル→大手税理士法人と転職をしてきたわたしですが、税理士業界へ転職をした時は「国際税務分野」も検討した中の1つでした。
Big4間では人材交流も盛んだったので、知っている内情も踏まえて深堀していきますね。

国際税務に携われる3つの転職先

まず国際税務関連の仕事できる転職先は、以下の3つが考えられます。

  • Big4(デロイト、EY、Pwc、KPMG)、大手税理士法人
  • 国際税務特化の税理士法人
  • サービスラインの一部として国際税務業務がある税理士事務所

Big4では、外資系企業対応、海外進出企業支援、関税・間接税、租税回避対策税制、移転価格など、ほぼ全ての国際税務サービスを網羅しており、大規模な案件もBig4に集まってきます。大手税理士法人も国際税務部門はありますが、やはりBig4と比べると弱いのが実情です。

国際税務特化の税理士法人は、中小企業の海外進出を背景に、大企業対応がメインのBig4では価格や規模感が折り合わない顧客を開拓することで成長してきています。
少数精鋭で、得意なサービス内容に特化しているケースが多いです。

サービス内容の一部に国際税務業務がある税理士事務所は、海外進出支援(アウトバウンド)がメイン全体に占める国際税務業務の割合が高くない事務所も多いので、注意が必要です。

国際税務の転職先だったら結局どこがいい?

結論からいうと、できる限りBig4を選んだ方がいいです。

その4つの理由を下で解説していきますね。

【理由①】扱っている国税税務業務の範囲が広いから

ひとくくりに国際税務業務といっても、外資系企業対応、海外進出企業支援、関税・間接税、租税回避対策税制、移転価格など、さまざまな業務があるのは前述のとおりです。
これらは税理士試験でほとんど出題されない分野なので、もちろん勉強する必要があります。ただし、実務を通して経験しないと分からないことも多いため、具体的な業務イメージが掴みにくいというのがホンネだと思います。
この点、Big4であれば、希望すればどの業務も経験できることがメリットです。
Big4以外だと、提供していない業務だったり、主力業務でなかったりする可能性があります

【理由②】優秀な人が集まる

Big4は採用にフィルターがあるため、優秀な人が集まります
個人的にはこれが非常に大事だと思っていて、がむしゃらでも優秀な人について働いているといつの間にか自分の実力も底上げされています
強制的にレベルアップしたい方は、優秀な人が周りにいる環境に身をおくのがオススメの方法です。

【理由③】待遇がよく、働き続けるのに適している

詳細は後述しますが、国際税務業務で独立開業を目指すは他の税務領域に比べて難しいです。なので、勤務税理士としてキャリアを積むのが一般的ですが、Big4でマネジャークラスになると年収が1,000万円前後となり、待遇は業界トップクラスといえます。
なので、Big4は長く働き続くのに適していて、勤務税理士には非常におすすめの転職先です。

【理由④】方向転換がしたくなったらできる

こちらは消極的な理由ですが、実際に経験して業務が合わなかったり、飽きてしまったりで、他の分野へ挑戦くなることも考えられなくはありません
Big4であれば、国際税務以外のサービスも豊富なので、社内でキャリアチェンジが可能です。また、Big4のネームバリューは絶大で転職しやすいので、社外へのキャリアチェンジにも有利でしょう。

【結論】国際税務の転職先はBig4がオススメ

上記の理由から、国際税務をやりたければ、とりあえずBig4への転職がおすすめです。

特化型税理士法人も、経験があって既に専門性を追求していきたい業務が決まっている人にはいいと思いますが、再度転職する以外は、方向転換が難しい点は注意が必要です。

サービスラインの一部として国際税務業務を取り扱っている事務所は、実際には国際税務関連の仕事があまりないケースや、経験できる業務が限定される可能性を念頭に置いておく必要があると思います。
待遇の不満と同じくらい、入社前との業務内容のギャップは、よくある退職理由なので。。。

国際税務を転職先とする先の留意点

さいごに、国際税務を転職先とする場合は、注意しないといけないことがあります。
それは独立は難しいので、将来的に独立したい人にとっては遠回りになるかもしれないということです。

なぜ、国際税務分野での独立が難しいかというと、、、

【理由】高度すぎて、少人数体制は太刀打ちできない

国際税務分野の仕事がBig4などに集まるのは、業務内容が専門的かつ高度なことと、国際的なネットワークやアライアンスがあるからです。
これを個人もしくは少人数で対応・構築しようとするのは、あまり現実的ではありません。

個人会計事務所で国際税務を謳っているところも、実情は海外進出支援(アウトバウンド)がメインで、Big4などで積んだ実務経験をそのまま十分には活かせない可能性が高いです。
また、海外進出支援のみで税理士事務所経営を成り立たせることも難しいので、国際税務以外の軸となる業務の経験をするために他の事務所での経験を踏む必要が出てくるでしょう。

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