国際税務分野に未経験で転職できるのか?
国際税務分野に未経験でも転職を考えている人へ
国際税務は、専門性が高い業務なので、興味があっても未経験で転職できるか心配ですよね。でも結論からいうと、未経験でも国際税務業務に転職は可能であり、実際に求人も多いです。
Big4監査法人→Big4コンサル→特化型税理士法人と、未経験分野へのキャリアチェンジばかり繰り返してきた私が、その体験談も踏まえて、詳しく説明していきますね。
未経験でも国際税務の仕事に転職できる?
国際税務分野は、未経験でも受け入れてくれる転職先がたくさんあります。
なぜ未経験者の採用に積極的かというと、人材不足が理由の1つに挙げられます。需要の増加に反して、税理士受験者数の減少や、英語や国際的でチャレンジングな仕事に興味を持つ人があまり多くないこともあり、未経験者の受け入れにも力を入れているようです。
また、離職率が低いことも要因です。一般的な税理士事務所だと、独立やステップアップで、1〜2年で辞めてしまうことも珍しくないため、即戦力の人材を求める傾向にあり、未経験者の教育にはコストをかけたくないというのが会社側の本音だと思います。
一方、国際税務領域はプライヤー数が限られており(Big4の国際税務部門と特化型税理士法人ぐらい)、独立も難しいため、一旦転職すると転職先で長く働いてくれる事が期待できます。なので、未経験で採用しても、教育して一人前になればいいと考える傾向にあると思います。
実際に、「国際税務 未経験 求人」で検索すれば、以下のような未経験OKの求人をたくさん見つけることができると思います。
出典:MS-Japan求人
国際税務は、需要が増加していること、教育していく風土があることから、未経験者でも転職ができる領域です。
未経験で転職するに当たって、どんな準備をすればいい?
未経験で国際税務の分野に転職したい場合、どんな準備をしたらいいかも気になりますよね?
国際税務領域は税理士試験でほとんで扱わない分野なので、専門書を読んだり、資格予備校の実務養成コースの受講などで、国際税務の基礎知識を習得するのがオススメです。
また、英語力も必要になってきますので、TOEICの学習も効果的だと思います。
国際税務の概要を理解することで業務が自分に合いそうか判断できますし、事前準備によって転職後の業務がよりスムーズになることが期待できます。
特に実務養成コースの受講については、意外とそこまで準備している人はあまりいないため、採用時のアピールポイントにもなる可能性もあります。
実際に、私も資産税特化の税理士法人の転職活動前に、実務養成コースを受講したのですが、大変分かりやすく実用的で役に立ちましたし、また、面接時の面接官の反応もよかったです。
税理士試験の勉強との兼ね合いが難しいと思いますが、試験時期とズラして国際税務の勉強・転職活動に取り組むなど、工夫して時間を捻出する方法を探しましょう。
基礎知識の習得や英語のスキルアップなど、国際税務への転職に向けて準備できることはたくさんある。
国際税務の転職に向けた英語学習について別途詳細まとめています。こちらも参照ください。
一般的な税理士事務所の経験は転職後も役に立つ?
国際税務というのは簡略化をすると、日本の税法と各国の税法のギャップを埋める仕事です。なので、日本の税法の知識・実務経験が不可欠で、国際税務業務は延長上にあると言えます。
特に法人税と消費税の知識は必ず必要になってくるので、できれば税法科目はこの2つを選択した方がいいと思います。実際に法人税と消費税の合格および経験が必要な求人も多いです。
ただ、前職の経験が活きるといっても、新たに勉強しなければならない内容が多いことは覚悟しなければなりません。また、一般の税理士事務所における定型的な業務とは違って、一からロジックを組み立てていくような業務の性質の違いに戸惑うことも多いと思います。
しかし、応用も基礎の積み上げなので、諦めずに努力を継続すれば、必ずできるはずです!
国際税務の仕事には、法人税や消費税など、現在の仕事の経験も活かせる。
新たなフィールドに踏み出すのがちょっと不安なあなたへ
現状を変えて新しい環境へ飛び込むのは、大変ですし不安ですよね。でも、挑戦してみないと分からないことがほとんどです。
特にその仕事が本当に自分に合っているかどうかは、どんなに事前準備したり、業界の情報をリサーチしてみても、実際に実務を経験してみないと分からないことが圧倒的に多いです。
私もこれまで、監査法人→戦略系コンサル→税理士法人と、念入りに調査した上で就職・転職してきたつもりですが、実際には事前のイメージと違うことの方が多かったように思います。(もちろん実際の方がよかったこともいっぱいありますよ!)
国際税務領域にキャリアを絞り込むのが不安な面もあるかもしれませんが、Big4の国際税務部に転職して合わなければ他部署へ移動など、リスクヘッジしながら挑戦できる環境もあります。 また今後は特定の領域で差別化しないと、税理士業界であなたの市場価値を維持できなくなる可能性が高く、絞り込まない方がむしろリスクになるともいえます。